▽アッという間に3ヶ月が経ってしまった。ブログってtwitterと違い、後で読み返すとそれなりに有益なこともあって今年はこまめに更新しようと思っていたのに気付いたら3ヶ月も滞っていた。この3ヶ月は何だか新番組の立ち上げやら重なる特番の準備やらで、そりゃもう大変だった。仕事で休んでないとか眠ってないという業界人にだけはなるまいと思ってはいたが、そのポリシーが崩れたワンクール。おかげでストレスが溜まりまくり。休まないと。休むことが悪のように見られがちな業界だが、自分はちっともそうは思わないのだ。可能ならば週の半分は休みたいくらいだ。ま、近い将来そんな日々がやってくるはずだから楽しみに今はやれる仕事はしておこう▽そして、新譜をリリースしたリーコニッツは83歳。ドラムのポールモチアンもベースのチャーリーヘイデンも80歳前後だ。その歳になってもこうして生業を続けていられるというのも幸せな話だ。しかも、引退したプロ野球選手が草野球を楽しむような延長戦ではなく、現役としてインプロの極みに挑み続けている。その記録がこのバードランドでのライブ録音盤。レビューを来月号の『JaZZ JAPAN』にも書いたが、何世代も下のメルドーとの化学反応も場に緊張感を与えて素晴らしい。ちなみにこのジャケットを手掛けたのはこれまた同世代の映画監督ジャン・リュック=ゴダール。
▼土曜日だというのに会議続き。終えて夕方帰宅。すぐに台本書き。しかもある有名女優がが出ることになったコント台本。女優がこの台詞を口にするかと思うと書いていてもなかなか緊張感がある。ドラマと違って「台詞を元に自分の言葉にして」というファジーな注文は出来ないだろうから、ニュアンスも込めて丁寧に台詞を書いた。さてやってくれるのか。台本を見てこれは出来ないと言い出さないか心配▼すごいメンツが揃ったユニットの新譜が出た。Orrin Evans (p)、Eric Revis (b)、Nasheet Waits (ds)、JD Allen (ts)、
Oliver Lake (as)、Nicholas Payton (tp)。名前を書き並べただけで音が想像できる。「狂気」とか「野蛮」というのがここんところの自分を惹きつける要素だけれど、そういった意味でもこの一枚はストライク。愛聴盤の仲間入り。
『JaZZ JAPAN』で連載してるエッセイ「FOOL STRUTTIN'」の原稿書き。また今回もテレビ業界の裏話にジャズを絡めた内容。書きたいことが沢山あってアッという間に文字数オーバー。いくつかのネタは温存しとくことに。レビューも今月は4作品。これは明日に積み残し。とにかく聴き込んで言葉が浮かんでくるのを待つ感じ。そんな合間に聴いたのは、ボリス・コゾロフの新譜『DOUBLE STANDARD』。一枚丸ごとベースソロ。渋いスタンダードナンバーが並ぶが、演奏はベース1本。昨今、おそらく不景気のせいもあって、ソロピアノ作品は多いけど、ソロベースてのは冒険だったろう。ま、その試みに惹かれて買っちゃった訳だけど。結論。ベース1本なのにきちんとスウイングしてさすがだ。
ジャンルの垣根を越えた作品。というよりもエスペランサには元々、ジャンル意識などないのだ、きっと。エスペランサに限らず、この世代は特に。さらに、もう一点、この作品で気付かされるのはボーカルと他の楽器とは等価にあるということ。ここには、ボーカルの伴奏としての楽器は存在しない。「声」という楽器が同等に他の楽器と絡み合って音楽世界を紡ぎ出す。スキャットではなく、きちんとしたボーカルで。斬新だよまったく。「ジャズを聴いてみたい」というビギナーに今後は「コレもジャズだよ」と必ずこの一枚を加えたい。
先にリリースされた新譜も大傑作だったクリス・ポッター参加の作品が早くも聴けるのは嬉しい(とは言っても録音は2007年)。モンタレー・ジャズ・フェスティバルのために、ベースの重鎮デイヴ・ホランドを中心に編成されたカルテットのライヴ盤なのだが、ここでのポッターも素晴らしいの一言に尽きる。重鎮の深い懐で自由自在にやらせてもらってる感じ。ポッター以外にも、ピアノはゴンザロ・ルバルカバ、ドラムはエリック・ハーランドと垂涎のメンバー。ルバルカバはここ四、五年追いかけてなかったけど、久しぶりに聴くと硬派なタッチが刺さりまくりで最近の作品を遡って聴いてみたくなった。てか、ハーランドも相当すごい。音数が多くシャープなドラミング。最近、スティックの持ち方にはレギュラーグリップとマッチドグリップがあるのだと知ったが、ハーランドやブライアン・ブレイドなどは後者。二人とも明らかに自分好みの音だが、グリップの違いによってそんなにも音の出方が変わるものなのか。年内に出る予定のハーランドのリーダー作が俄然楽しみになった。