トランペット


162.大西順子『Baroque』

baroque_500.jpg11年にも及ぶ沈黙から昨年『Musical Moments/楽興の時』で復帰した大西順子だったが、これが完全復帰と呼ぶに相応しい作品だ。レコード会社もEMIからユニバーサルに移籍、ジャケ写はなんと予想だにしなかった蜷川実花を起用!この気概はただ事じゃない。完全復帰宣言である。オフィシャルサイトも出来、ブログまで用意されているなんて、完全復帰の証拠。サイドメンにも、ジェーム・スカーター、ニコラス・ペイトンなど蒼々たる面子が並び、さらにはレジナルド・ヴィールとロドニー・ウィテカーのダブルベースの曲も!完全復帰しないとなかなかこの面子とやり合おうと思わないのではないか。混沌とした茂みを掻き分けて密林を突き進むと実は意外にも区画整理されてることに気付いて驚いたといった感じの作品。こんな興奮した作品は久々。もうスゴすぎて完全復帰の何者でもないことを確信。続けざまに3回聴き返してしまった。完全復帰、バンザイ。

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137.Vincent Gardner『Three-Five』

70726f647563742f333562313464633131362e6a70670032353000.pngジャケ買いはギャンブル要素も高く、だからこそ当たった時に出るアドレナリンの量も半端なくなかなかやめられない。一時期、ハズレが続き(個人的趣向に合わなかったという意味で)これはさすがに無駄遣いだと反省し試聴するよう努めていた時期があった。でも不思議なことに試聴機で「おっ!」と思っても、家に帰ってあらためてひとりで聴いてみると「何でこれを買ったんだろう」と虚ろな気分になることが多々ある。まるで海外で買ってしまうお土産品状態。そんな訳でいまだにジャケ買いはやめられていない。で、このアルバムもある種のジャケ買いだが、いわゆるジャケット写真が気に入って買ったわけではない。何だか良さそうな気がする、という勘。証拠もあがってないのに勘だけで犯人を特定する熟練刑事のようだ。ま、時々ハズすけど。しかし今回は当たった。内容はハードバップな演奏で最近はめっきりこの手のアルバムには手を出さなくなっているのでおそらく事前に情報を得ていたら買わなかったろう。ヴィンセント・ガードナー。初めて聴くトロンボーン奏者。Steeple Chase4作目。オーソドックスながら手堅く聴かせる好盤。トランペッターのデリック・ガードナーも好演。どうやら弟らしい。ストリックランド兄弟と共にこのガードナー兄弟も要チェックだ。てか、考えてみたらジャズ界って兄弟が多い。

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136.Marcus Strickland Twi-Life Group『Open Reel Deck』

51QJLcKFdBL._SL500_AA240_.jpg最近はめっきりこの辺りの音がツボだ。マーカス・ストリックランドの真っ直ぐなサックスの音が無性に生で聴いてみたくなるライヴ盤。ここでなされる試みとして、ラップまでいかない「語り(Spoken Word)」が何曲かでインサートされる(Tokyo No.1 SOULSETのビッケっぽいかも)。このところ、ウィントン・マルサリステレンス・ブランチャードなどの新譜で、ボーカルとは異なる「人の声」を使った表現がなされてるが、NYで流行ってるのか(そういえばグレッチェン・パーラトの新譜でも自分の子供の頃の「声」を使っていた)。この辺りの趣向は好みが別れるところだが、個人的にはジャズの幅を広げる表現手法のひとつとして受け容れたい(音楽とは完全分離させたマルサリス『He and She』の朗読は別だが)。今作で気になったのはギターのマイク・モレノ。特にM5「Sneaky Deaky」では、モレノのスペイシーなギター音に、E.J.ストリックランドのバシバシ決まるドラムの音が切り込んできて気持ちいい。初リーダー作をリリースして話題のトランペッター、キーヨン・ハロルドも参加。NY行きたい。

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133.SF JAZZ COLLECTIVE LIVE 2009 6th ANNUAL CONCERT TOUR

JZ090930-02.jpgSF JAZZ COLLECTIVE、2009年版。メンバーはジョー・ロヴァーノ(ts)、ミゲル・ゼノン(as)、デイヴ・ダグラス(tp)、ロビン・ユーバンクス(tb)という蒼々たる管楽器陣に、リニー・ロスネス(p)、マット・ペンマン(b)、エリック・ハーランド(ds)。何という豪華な面々。さらに毎年、ジャズレジェンドたちの一人をクローズアップしているが、今年は大好きなピアニストの一人、マッコイ・タイナー。内容はとにかくホーン・セクションが熱い(厚い)。アンサンブルによって没個性になることもなく、各自がゴリゴリと前に出てきて圧倒的な演奏を聴かせる。リニーも所々マッコイを意識したタッチを聞かせニヤリとさせる。ハーランドのノリも最高。過去、05年版、06年版、07年版、08版とどれもハズレ無しだったが、今回も大当たり。

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108.The Roy Hargrove Quintet『Earfood』

uccm1148.jpg近年のロイの活動は多岐に渡っていて、「RHファクター」でHIP HOPに取り組んだかと思えば、ビッグバンドを結成したりと多才。そんな彼が久々に真正面からジャズと取り組んだ作品でこれがかなりの好盤。この新作を引っ提げたライヴを6月25日にブルーノート東京で見たが、素晴らしいステージだった。同ライヴハウスでビッグバンドも見たが、その時のロイはプレイヤーというよりはコンポーザーで、やはり個人的にはこのクインテットでの演奏の方が好みだ。ロイのクレバーなソロはやはり美しい。またピアノのジェラルド・クレイトンも実に聴かせる。

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