SF JAZZ COLLECTIVE、2009年版。メンバーはジョー・ロヴァーノ(ts)、ミゲル・ゼノン(as)、デイヴ・ダグラス(tp)、ロビン・ユーバンクス(tb)という蒼々たる管楽器陣に、リニー・ロスネス(p)、マット・ペンマン(b)、エリック・ハーランド(ds)。何という豪華な面々。さらに毎年、ジャズレジェンドたちの一人をクローズアップしているが、今年は大好きなピアニストの一人、マッコイ・タイナー。内容はとにかくホーン・セクションが熱い(厚い)。アンサンブルによって没個性になることもなく、各自がゴリゴリと前に出てきて圧倒的な演奏を聴かせる。リニーも所々マッコイを意識したタッチを聞かせニヤリとさせる。ハーランドのノリも最高。過去、05年版、06年版、07年版、08版とどれもハズレ無しだったが、今回も大当たり。
ニューオリンズジャズの大傑作アルバム。トランペットのJames(兄)とトロンボーンのTroy(弟)の兄弟コンボ。オールドスタイルのジャズなのだが、古さはまったく感じない。いや、古い新しいを超越した普遍的なジャズの楽しさで溢れているのだ。だから聴いてると自ずと気分が高揚してくる。特にこの二人が演奏するマーチングジャズはとにかく底なしに明るい。全編を通してハズレ無しの完璧盤。中でもマーチングナンバー「Bourbon StreetParade」とスタンダードナンバー「Paper Moon」は出色の演奏でファンクなボーカルも楽しい。ルイアームストロングを彷彿とさせるJames(兄)の明るい嗄れ声はもはや楽器。ジャズは難しいと偏見を持ってる人にこそ聴かせたい一枚。
ジャズを聴いてみたいが何から聴いていいか判らない、という話をよく聞く。とかくそんな人はジャズ名盤ガイド的なものを購入し、歴史的名盤ばかりを追い求めることになるのだが、実はその呪縛から解き放たれた時こそ、本当にジャズの面白さ、楽しさに気づき始めるのだ。個人的には初心者にこそ、こんなアルバムを薦めたい。名盤ガイドには載らない類の大名盤。縦横無尽に歌う豪快なテナーマン、ダニー・モス。このアルバムの一番の聴きどころはカルテットのフロントに迎えられたトロンボーン、ロイ・ウィリアムスとのソロの応酬だ。バッキングもノリがイイ。ジャケットもカッコイイ。"名盤"はやはりジャケットにもその好内容が顕れるのだ。