ジャズの巨匠、ハービーハンコックの新譜はなんとボーカルモノ!イマジンプロジェクトと題されたこの作品、コンセプトが"地球規模の平和"と謳われていて、そう言われるとどこか宗教じみた胡散臭さが漂ってしまうが、内容は一切そんな匂いは皆無。音楽のジャンルを超えたグローバルなボーカルアルバムに仕上がっている。冒頭、このアルバムのコンセプトにもなっているだろうジョンレノンの「イマジン」から始まるのだが、この一曲だけで名盤を予感させ、一枚を聴き終える時にはそれは現実となった。今年これを超えるボーカル作品は何枚出るだろうか。個人的にはジョンレジェンド他何人かを除いて初めて聴くボーカリストが多かったが、全員今後も追いかけたくなった。
西アフリカのギタリスト(&ボーカル)リオネル・ルエケの新譜。ベース&ギターのレギュラーギタートリオをベースに、楽曲ごとに同じ世界観を持つゲストが加わり、アフリカの民族音楽テイストが程よくブレンドされた最高の一枚。メンツもスゴい。エスペランザ・スポルディング、リチャード・ボナ、マーカス・ギルモアと個人的に大好きなメンツが勢揃い。なんて贅沢なんだ。ジャケットのクレジットを見ただけでテンションアップ。初聴きだったのは、同じ西アフリカ出身のアンジェリーク・キジョー。彼女の力強いボーカルに心酔。また一人、追いかけたくなるボーカリストに出会ってしまった。
ピアノ、チェロ、そしてボーカルというアルゼンチンの変則トリオ。世にスタンダードのカバーは数あれど、これはそのどの作品にも似ていない、独特な解釈で再構築されたスタンダード曲集。とにかく、強烈なオリジナリティ。癖のあるアレンジばかりだが、個人的には聴いた瞬間、心酔してしまった。特に「Fly Me To The Moon」「Honeysuckle Rose」がイイ。保守的なジャズファンやビギナーには薦められない一枚。けど、最高。にしても、このトリオ、名前に「?」をつけてるのが驚きだ。「ソー・ロカ?トリオ」と読むらしい。で、アルバムの邦題は『ハニーサックル・ローズ』。変わったジャズが聴いてみたい方にはおススメ。
単純に音の力関係で言っても、ボーカリストにとってビッグバンドをバックに歌うということはかなり大変だ。20人以上の敵陣に一人で太刀打ちする訳だから、並大抵のことじゃない。ま、敵とは思ってないだろうけど。でも、ジャズ特有のスイング感は演奏者どうしが互角に張り合ってないと生まれないわけで、そういった意味でこのアルバムは、ビッグバンドとボーカルが絶妙なバランスを保っている屈指の名盤。時にダイナミックに、時に小粋に、スインギーな歌を聴かせるエラ。そんな彼女を懐深く気持ち良く泳がせるベイシー。相性がいいというのはこういうことを言うのだろう。アレンジを担当するクインシージョーンズも内なるエンターティナーぶりを発揮して、まさに内助の功。[1963年録音・Verve]
"美脚ジャケットにハズレなし"という個人的なジンクスに違わぬ一枚。サラ・モンテス。ややベビーボイスで、ややハスキー。その声質と真っ直ぐな歌い方にやられてしまった。声量溢れる歌唱力で巧みに歌い上げれば心震わされると思ったら大間違いだ。て、誰に言ってるのか。それにしても、だ。ジャケット写真からは"艶っぽい大人の女性が歌うジャジーなボーカル"といった印象を受けるが、内容はまったくもって異なる。全編、アップテンポにスイングするガーリッシュなボーカル。この写真、レコード会社の策略だ。まんまと引っ掛かってるけど。ピアノのJOEY SINGERが、無名ながらスインギングな演奏で好サポート。これだけでも一聴の価値有り。[2006年録音・lazsarmusic]