男性ボーカル


040.OSCAR PETERSON 『ROMANCE』

040.jpgピーターソンの場合、他にも数多く名盤は存在していて、いずれ取り上げることになるとは思うが、最初の一枚をあえてこの作品にしたのは、今は亡き彼の"肉声"が聴けるからだ。天才ピアニストが弾き語る稀少なボーカルアルバム。人柄が滲み出た優しげな歌声は、ナット・キング・コールを彷彿とさせる。いや、瓜二つ。実際、ピーターソンだと言わずに聴かせれば、殆どの人が「ナット・キング・コール」だと思うのではないか。生前、敬愛していたというナットの歌唱法にもろ影響を受けてるのだ。これがボーカリストを生業としているならば首を傾げるが、天才ピアニストの歌声だと思うとむしろ微笑ましい。聴いているとついマイクから離れてしまい、歌声が遠くなることが何箇所かあり(特に1曲目「I'M GLAD THERE IS YOU」と7曲目「SPRING IS HERE」)、その辺りに、不慣れなボーカルものを録っている様子が伺えて微笑ましいし、すぐにマイクに近づいて声が大きくなる感じもさらに微笑ましい。全編を通して素晴らしいボーカルアルバムに仕上がっているが、中でも個人的なフェバリットソング「THESE FOOLISH THING」には、ぎゅっと胸を締め付けられる。[1952〜54年録音・Verve]

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034.THELONIOUS MONK 『MONK'S DREAM』

034.jpgビギナーには取っ付きづらいピアニストだとは思うが、ジャズを聴き続けるならば必ず通らねばならないピアニストでもある。不協和音の奇才、セロニアス・モンク。今から二十数年前、この個性の強い鍵盤奏者に夢中だった時期がある。きっかけはジャズ喫茶で流れてきた「UNDERGROUND」というアルバム。正直に言えば、その時はピアノの演奏というよりはジョンヘンドリックスのボーカルに強く惹かれたのだが、自分でこのアルバムを購入して全編通して聴いた結果、すっかりモンクに心奪われてしまった。以来、このピアニストの作品を買い集め、極貧生活を送ることになった。上京したての18歳。ジャズを聴き始めて数年。今思えば、ちょうどいい頃合いでモンクと出会ったような気がする。ある程度、名盤と言われる他のピアノ作品に触れた後のモンク。それが、絶好のタイミングなのだ、きっと。あるいは、デュークエリントンの有名なスタンダードナンバーばかりを演奏している「PLAYS THE MUSIC OF Duke Ellington」から入るのも有り。ただ、モンクの魅力は演奏と同じくらい、その作曲能力にあることを忘れてはいけない。この「MONK'S DREAM」には自身が作曲したナンバーも多く、数あるモンクの名盤の中でも繰り返し聴いてる一枚。[1962年録音・CBS]

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