021〜030


030.Kevin Mahogany『My Romance』

030.jpg声質が心地良いか否か。個人的にはそれがボーカルものを選ぶ大きな判断基準。そういった意味ではこのケヴィン・マホガニーは心地良い声質の極致。低く響くバリトンボイスがビンビン空気を震わせて、まるで低周波マッサージを受けてるかのような心持ち。女性を口説くのに利用されそうなバラッド集だが(一般的にジャズのイメージってそんな感じなんだろうなぁ。ムーディなBGMというか)、正しくはこのボーカリストの卓越したボーカルテクに耳を傾けねばならない。そう思いつつ、やはりその魅惑的な低音ボイスを聴いてると、気分がとろんとしてしまうのだ。[1998年録音・Warner Bros.]

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029.Ed 'Tiger' Lewis Memorial Album Live at blue note Vol.Ⅰ&Vol.Ⅱ

029.jpgすべてをそっと包み込むような演奏。使い古された比喩表現だが、実際に演奏を耳にすれば、この表現が彼のトランペットの音色を言い表すのに一番しっくりくると気付くはず。実に懐の深い音。これはやはり年齢に拠るところが大きいように思う。このライブ盤が京都のブルーノートで録音されたのは、エドルイスが73歳の時。まさに枯淡の境地たる演奏だ。歴史的にも決して目立ったトランペッターではなく、作品自体も極端に少ない(というか随分前から事ある毎に探してるがこれ以外に見付からない)が、この一枚だけで個人的には忘れ得ぬトランペッターとなった。生涯の愛聴盤。[1999年録音・blue note]

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028.clora bryant 『...gal with a horn』

028.jpg女性のピアニストは多いがトランペッターは少ない。ライナーノーツによると歴史的に見て十数人はいたようだが、不勉強な自分は初めて見る名前ばかり(リーダー作を残しているのは殆どいない)。そしてクローラ・ブライアントもこのアルバムで初めて知った。実際、かなりの稀少盤であまり出回っていないようだ。彼女はトランペット奏者でありながら、やや嗄れた味のある歌声でボーカルも披露している。考えてみたら、ボーカルも兼任するトランペッターは多い。古くはサッチモに始まり、ジョンレットマン、チェットベイカー、新しいところではティルブレナー、シャンツ、などなど。そういえば、あのウィントンマルサリスもボーカルを披露してるアルバムがあった。自分の知る限り、そんなトランペッターのボーカルは例外なく実にイイのだ(ま、良くなければわざわざトランペッターに歌わせる訳がないのだ)。ここに新たな法則を発見。楽器をメインにしたジャズプレイヤーのボーカルにハズレ無し。[1957年録音・MODE]

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027.James And Troy Andrews 『12 & Shorty』

027.jpgニューオリンズジャズの大傑作アルバム。トランペットのJames(兄)とトロンボーンのTroy(弟)の兄弟コンボ。オールドスタイルのジャズなのだが、古さはまったく感じない。いや、古い新しいを超越した普遍的なジャズの楽しさで溢れているのだ。だから聴いてると自ずと気分が高揚してくる。特にこの二人が演奏するマーチングジャズはとにかく底なしに明るい。全編を通してハズレ無しの完璧盤。中でもマーチングナンバー「Bourbon StreetParade」とスタンダードナンバー「Paper Moon」は出色の演奏でファンクなボーカルも楽しい。ルイアームストロングを彷彿とさせるJames(兄)の明るい嗄れ声はもはや楽器。ジャズは難しいと偏見を持ってる人にこそ聴かせたい一枚。

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026.片岡雄三QUARTET

026.jpgこのアルバムが好きな理由は3つ。1つは、この奏者が吹くトロンボーンの音色。耳に心地良いか否かは音楽を聴くうえで個人的にはかなり重要な問題なのだが、語り口も含めて、片岡雄三が奏でる「音」はとても心地良い。2つ目は、バッキング。吉岡秀晃のピアノを筆頭にスイングしまくり。トロンボーンのリラックスした演奏も、そんな伴奏者への信頼感に拠る部分が大きいはず。優れたバッキング無きところに名演無し。オリジナル、スタンダード含めて楽曲もいい。そして3つ目。ジャケット。シンプルかつインパクトある写真と端的なタイトル。印象に残る優れたデザイン。しかも、このジャケットに演奏イメージが顕れているところがスゴイ。と、つらつらと理由を書き連ねてみて思ったが、これってつまりは、全部好きだってことだ。

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