「僕の80%はジャコで出来てる」と語るジャコ・パストリアス直系ベーシスト、リチャード・ボナ。ベーシストとしての才能もさることながら、個人的にはボーカリストとしての才能に強く惹かれる。カメルーン出身の彼は時に母国語(ドゥアラ語)で歌うが、この言葉の響きがアフリカに根差したリズムとマッチして実に心地いい。4年ぶりの新譜となる今作のテーマは、タイトルが意味するようにいろんな土地の音楽に溶け込む「BLUES」らしい。このところ多くのミュージシャンたちにルーツ回帰的な現象が起きているが、これはボナが取り組んだ新たなカタチのルーツ回帰で、ワールドミュージック的色合いのある一枚。そういえば、30年前ぐらいに残酷な黒人差別を真正面から描いた『ルーツ』という衝撃的な海外ドラマがあった。あの時代にはオバマが大統領に就任するなんて悪い冗談にしか聞こえなかったはず。ま、このアルバムとはまったくもって関係ないんだけど。