93年にセロニアス・モンク・コンペティションで優勝し、注目を集めたジャッキー・テラソンだったが、その後、さほど大きな話題になることなく、そのうちブラッド・メルドーやロバート・グラスパーなど次々に新進気鋭のピアニストが登場して地味な存在に追いやられてしまった感がある。先日、コットンクラブのライブを観て大感激。すっかりコンテンポラリーに様変わりしている彼の演奏に驚いた。「キャラバン」「ラウンドミッドナイト」「セントトーマス」など超スタンダードを分解して、まったく新しく再構築。まるでリフォームの匠だ。Ben Willams(b)、Jamire Williams(ds)と共に三位一体となって脈打つような演奏にすっかりヤラレてしまった。で、帰宅して早速、引っ張り出して聴いたのが、この作品。ジャッキー・テラソン・トリオの演奏ではないが、ヴァイブのステフォン・ハリスとのダブルネームのこのアルバムは、テラソンがハリスに触発されてスリリングな名演を展開。正直、これ以外に心に刺さったトリオ作品をすぐには思い出せなかったのだ。でも今後の彼の動向には注目したい。ライブ盤を出せばいいのに。