このアルバムを聴く度に欲求不満になる。何故なら、このピアニストはたったの二枚しか作品を残していないからだ。唯一無比な、ハロルドの音色をもっともっと他の楽曲でも聴いてみたいが、ここに収められた14曲(ジャズにしては2、3分の短い曲ばかり)と、もう一枚『AT THE PLAYBOY CLUB』に収められた7曲の、合計21曲でしか聴けない。江夏の21球、ハロルドの21曲。江夏と一緒にする意味はないんだけど。それにしても、ハロルド・ハリスのピアノは何故こんな風に響くのか。きれいに喩えるならば、水滴が弾け散るような音。陳腐に喩えれば、玩具のピアノ(でもちょっと値段は高い)のような音。初めて聴いた時からこの音色の虜になってしまった。[1961年録音・VEE JAY]