ビギナーには取っ付きづらいピアニストだとは思うが、ジャズを聴き続けるならば必ず通らねばならないピアニストでもある。不協和音の奇才、セロニアス・モンク。今から二十数年前、この個性の強い鍵盤奏者に夢中だった時期がある。きっかけはジャズ喫茶で流れてきた「UNDERGROUND」というアルバム。正直に言えば、その時はピアノの演奏というよりはジョンヘンドリックスのボーカルに強く惹かれたのだが、自分でこのアルバムを購入して全編通して聴いた結果、すっかりモンクに心奪われてしまった。以来、このピアニストの作品を買い集め、極貧生活を送ることになった。上京したての18歳。ジャズを聴き始めて数年。今思えば、ちょうどいい頃合いでモンクと出会ったような気がする。ある程度、名盤と言われる他のピアノ作品に触れた後のモンク。それが、絶好のタイミングなのだ、きっと。あるいは、デュークエリントンの有名なスタンダードナンバーばかりを演奏している「PLAYS THE MUSIC OF Duke Ellington」から入るのも有り。ただ、モンクの魅力は演奏と同じくらい、その作曲能力にあることを忘れてはいけない。この「MONK'S DREAM」には自身が作曲したナンバーも多く、数あるモンクの名盤の中でも繰り返し聴いてる一枚。[1962年録音・CBS]